A. 天然木を使い伝統的な木組みの技術を実践することで、開放的な間取りなのに揺れに強く、ダイナミックな広い空間を得意としています。ご予算に応じて可能であれば、できる限り土壁を採用し、調湿性と断熱性を高めて、夏は涼しく冬は暖かく、室温の上下動を年間通して抑えられるよう工夫します。仕上がりの風合いは、色、コテのタッチともにたくさんあって、お好みに併せて自由に選べます。 お客様の中には、夏休み田舎のおばあちゃんの家を訪れたとき、不思議なほど家の中が涼しかった、というような体験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは深い軒、厚い土壁などが理由で、今でいうパッシブデザインです。
A. お気持ちわかります。お客様にとって失敗出来ない一世一代の大変な出費です。当店で実際に行っている打合せから完成までの流れは下記の通りです。
①カウンセリング
まずはお客様の家族構成、家に対する思い、趣味や特技、生活スタイルなどをしっかりとお聞きします。その上でお客様のお人柄、人生観などもつかみとって設計に活かします。
②基本設計、概算見積り
お客様の希望を聞き、プロとしてのアドバイスもさせていただきながら基本設計を行います。それができたら概算見積りを出します。実際より少し多めに出しますのでご安心ください。
③金融機関仮審査
概算見積りをもとに、お取引の金融機関の仮審査をお受けください。金利優遇や控除が受けられる可能性があるので、当店の取引銀行をご紹介することもできます。
④実施設計
基本設計をもとに、より綿密な設計を行います。お打ち合わせにご来店いただくことも増えますが、お客様のご負担を考慮しつつスムーズに進むよう努めます。実施設計の設計図書をもとに契約用の見積書をお作りします。実際に工事を施工するにあたって、地盤調査を行い、その結果必要に応じ契約後に地盤改良等を行います。
⑤契約
お互い納得の上で契約を交わします。基本設計、概算見積りは無料にて承ります。
⑥工事着工
お支払い方法は契約時の取り決めに従い、着手金のお支払いをお願いします。
⑦中間金のお支払い
工事の進捗度に応じた中間金のお支払いをお願いします。どこまで進めばいくら請求させていただくかは、契約時に話し合って取り決めていきます。
⑧完成
完成引き渡し後、残金のお支払いをお願いいたします。
ここまでの段階で追加工事がなければこれで終りです。お客様の予期せぬ多額の追加請求が出ないよう、実施設計時に綿密に打合せを重ね、設計します。また契約内容からの仕様変更や追加工事などで金額が高くなる場合は変更契約を結ぶことで、安心して完成までお待ちいただけるよう計らいます。
A. 当店は『建てたら終わり』ではありません。自然素材を多く使った建物は、外部環境(日差しや湿度)によって常に変化します。建具の建付とか、無垢の木の収縮による調整などは、無料にて対応いたします。私は修業時代に、あるベテラン棟梁に教えていただいた言葉を大切にしています。
『建てて半分、育てて半分』
建てた時が最も美しくお客様の気持ちも最高かもしれませんが、古くなればそれも味になり愛着へと変わっていく。そんな家づくりを得意としております。そのためのメンテナンスもお任せ下さい。また、工事保険に加入しており、当店の施工ミスや過失による被害にお客様のご負担無く保証出来るよう万全の体制を整えております。
A. はい、できます。当店店主は建築と庭を見て歩くのを趣味としていて、今までたくさんの庭を見てきました。そこで感じるのは、和風でも洋風でも庭と建築は一体的に考える必要があり、そこを訪れたお客様が家の中に入るのが楽しみになるような庭づくりが必要です。また、車や自転車の配置、家族の生活動線も考慮しなければなりません。そのためのカーポートなどが必要な場合もあります。当店で設計施工する場合、必ず建築と外構はセットで考えます。それはその建物がどんな周辺環境の中に建つか、とか、お客様の好みによっても変わってきます。都会の喧噪の中に小さな自然を再現することもあるし、近未来的な外構を施すこともあります。ただ私個人の意見としては、小さくていいので自然を再現した庭をつくって、そこでくつろぐような心豊かな生活をご提案したいです。
A. ①まずは日本の気候風土、環境を簡潔にご説明します。
日本の気候風土は一般に『高温多湿』といわれており、特に夏は気温が高いうえに空気中の水蒸気量も多いので、熱が体にまとわりつくような不快感があります。
逆に冬は乾燥しており、そのため実際の気温よりも少し寒く感じます。
②木造建築の特徴について簡潔にご説明します。
木という素材は、軽い割に丈夫でしなやかで加工しやすい。そして国土の7割が山といわれる日本国内において、木の建築は身近で手に入る素材を使った経済的で持続可能な工法です。ただ、木材は湿気に弱い。木が濡れた状態を続けると、腐朽菌が発生したり、ジメジメした場所が大好きなシロアリをはじめとする害虫に食べられたりします。濡れても乾く場合や、掃除が出来る場合は問題ありません。湿度の高い日本に、湿気に弱い木の建築。矛盾しているようにも思えますよね… そこを乗り越えるにはとにかく木が濡れっぱなしの状態にならず、湿気がこもらないおさまりにする必要があります。
③それらをふまえた上で、『高気密高断熱』と『土壁』を比較してみます。
まずは高気密高断熱の特徴
・隙間風を徹底的に防止して断熱効果を最大限に高めているので、エアコンの効きが良い
・断熱材は湿気が大敵!壁体内部が結露して断熱材を濡らしてしまうと断熱効果はガタ落ち。なので気密シートを張って湿気と接しないようにする。
・それでも日本の湿度はときに100%に達することも。その湿気を家の中に入れない、入った湿気を逃がすことが大切。そのために機械吸気と機械排気を導入して、家の中の空気を強制的に循環する。窓を開けての生活より、外部環境を遮断してエアコンでの生活に適しています。そして繰り返しますがエアコンがとてもよく効くので、快適です。
次に土壁の特徴
・従来の土壁はほとんどが真壁(しんかべ)で、柱と壁との間に小さな隙間が出来やすく、そこから風が入って冬は寒かった。ただ、チリシャクリなどのひと手間を加えてやると、完全に塞ぐことが出来る。
・土壁を塗ると、塗っては乾かしの工程を何度か繰り返すので、工期が長くなる。
・土と藁で出来た下地の荒壁(あらかべ)が厚くつくので、音や熱が遮断される。
・荒壁が厚いと湿気を吸収してくれて、空気が乾燥すると湿気を吐いてくれるので調湿効果が高く、夏は窓を開けるだけでも涼しい。
・自然素材なのでアレルギーを起こしにくい。
・土壁自体が剛構造として、地震で起きた最初の揺れに効くので、耐震性が向上する。
・土壁を塗るための下地と構造補強の両方を担う『貫』(ぬき)という横材があることで、建物全体が揺れに対して粘り強く『柳に風』のような性質を持っている。
以上、簡単に両者の特徴を並べてみました。外部環境と室内環境を切り離し、エアコンがとてもよく効く『高気密高断熱』、外部環境を遮断せず、湿度調整が得意で、耐震性もある『土壁工法』。
今後ますます暑くなるといわれている世の中。物価高騰で電気代も上がっています。地震や台風への懸念も絶えません。当店では状況に応じた柔軟な提案や施工を心がけておりますが、本当に心からおすすめしたいのは『土壁工法』です。なぜなら、土壁工法は根本的に自然との共生を目指す考え方。パッシブデザインと耐震性を追求した当店の木造建築には、最適な壁だからです。
A. はい、可能です。宮大工として修行を積みましたので、お社やお堂などは小さいものから大きなものまで何でも技術的には対応できます。ですので小さな仕事でも頂いた仕事に感謝して誠心誠意仕上げさせていただきます。文化財修理大工としての経験がございますので、古いものの価値を上げるための修理も承ります。
A. はい、対応可能です。ただし、工法や工期によっては対応しかねる場合もございます。当店の考え方としては、徹底的な調査と段取りを経て、下準備したものを現場へ運び、現場での作業を最小限にすることを目指しています。諸経費がかさむとお客様に跳ね返ってしまいます。お客様の立場に立ち、工事に伴う目に見えない出費を少しでも抑えるべく努力と工夫を重ねて参ります。ただし修理やリフォームの場合は現場で解体しながらでないと見えない部分が多々あります。その場合は現場にてその都度対応していきます。